ザッカン
心の底から願っていることがあり、それが実現した時に出る言葉には偽りがなく、かつシンプルな表現になることが多い。年一回の健康診断で毎回気になることは、レントゲン撮影に飲用したバリウムをいかに早く体外へ出して楽になれるかである。下剤を服用する…
「エレガントですなあ!」旅先で一人、 人力車に乗る機会があり、道行く初老の男性からすれ違いざまにかけられた言葉である。その時に私が感じたことは、恥ずかしさでは決してなく、言葉の使い方に震えたのだった。名は体を表すではないが、使う言葉はその人…
間違えてひと月前のバックアップ内容をiPhoneに取り込んでしまった。メールも写真もスケジュールも当然ひと月前の内容に逆戻り。記憶として残る感覚はあるものの、データ依存の比重が高まるほどこのひと月の間は何だったのかとも感じてしまう。直近のデータ…
持ち運びができて充電できていさえすればどんなところでも使える。使った後のものを撒き散らかさずきちんと収めてもおける。けれども、ほとんどの人は毎日決まった場所で 自分を使う。ファッションの一部として慎重なケアが必要だとしても、決められた場所で…
雨が激しく降る。風も強く吹き始め、その雨は横なぐりになる。雨は容赦なく僕らに降りかかる。一瞬にしてずぶ濡れになる。雨は笑っている。一夜明けた朝。穏やかな天気が戻る。僕にも笑顔がこぼれる。
ん?今日はシャワーの体への当たり方が少し違うな。水圧にほぼ違和感はなく、いつもと違う姿勢でシャワーを浴びているわけでもない。物足りなさを感じシャワーの蛇口を見上げると、よく見ると複数ある水線のうち一本だけが違う方向になっていた。決められた…
その間、三秒程度。前説の長いクシャミを耳にした。若干コブシが入り混じり、あっさりと事が終わるものより遥かに伝わってくる印象的なクシャミであった。考えてみれば、我々が普段聞くクシャミにも個性があることに気づく。はっきり目視できなくとも、その…
読書の話に熱中する父と娘との会話の中で、何とも興味深い話題が出ていた。皆さんは数年かけて読む本をお持ちだろうか?膨大なページ数で読み終えるのに数年かかる本でも、反対に、何度も読み返す本でも、数年かけて読む本の仲間に違いはない。特に、何度も…
体の芯から寒くなる日にはこってりしたものを食べるのも悪くない。朝から夜遅くまで外でほとんど立ちっ放し。震える身体を温めたい。深夜に近い時間に缶コーヒーだけでは気休め程度に過ぎず、向かった先は汁モノのお店。最初に目に飛び込むお店に入ると心に…
とりあえず使うか…仕方ないから…自分の利用方法として消極的な印象を拭い切れていない。もっと自分を楽しく使ってほしい。利用する理由が理由だけに、一概に楽しくだなんてあまりにも浮世離れしているかもしれない。だけど、何もしないよりは少しずつでも何…
情報を取り入れたい。シンプルなゲームをしてリラックスしたい。時間があればついスマートフォン等を取り出して夢中になってしまうことは少なくない。公共の場で人様に迷惑をかけずに夢中のままでいられないか?永遠の課題であるように思う。歩きスマホに関…
平面では見えない奥行きの面白さを感じたことはないだろうか?毎日のように通る道沿いの建物が取り壊された。年期の経っているように見えたどこか懐かしさを帯びた建物が無くなりその土地は更地になったが、今まで見えることのなかった奥にある建物が目に飛…
愛くるしい女性が満面の笑みを湛えてとんでもないポーズを構えている。早朝にふと目にしたポスター。中指を立てているっ!そのように見えたが、間違いであった。中指を立てているのではなく、掌サイズの何かを持って水平な視線を投げかけているのであった。…
暗いところは得意かって?そんなこと言ってられないし、たとえ苦手だとしても数を重ねて慣れてくれば抵抗意識は消えていくんじゃないかな。自分はひとり暗闇の中へ分け入って、触れたりぶつかったりする物の中からお宝を探してかき出す仕事をしている。お宝…
これからの10年は激動する期間。世界も日本も社会も個人もあらゆる分野で大きく変わる。ここ一年、このような情報が目に留まることが多くなった。自分の興味あることだからそれ故かもしれない。溢れ出るイメージがあれば予言でもしたいところだが、残念なが…
映画館で座席を選ぶ時、これといった希望がないあるいは見やすいとして勧められるのが中央ブロックの座席である。大きなスクリーンを真正面から受け止めて作品を堪能する。時代が移っても変わらない、映画館で映画を観る醍醐味の一つである。ここで提案した…
15年ぶりに高校時代の友人と会った。大学卒業以来連絡も取らずこのまま思い出に変わっていくかと思われた関係は、偶然のすれ違いでシナリオが書き換えられた。3つの行動なくして久しぶりの再会はなかった。まず、たまたま出かけた場所で向こうが自分を見かけ…
昨日までの世界は一体何だったのだろう?違和感を覚えつつも、その空気に慣れてしまうと心地良さも感じていた。街中を埋め尽くす黒や灰色といった落ち着きのある日常に、橙を中心とした色鮮やかさが差し込んでいたほんの少しの間。大半の人々は何事もなかっ…
あなたならどうする?混雑する電車内。駅に到着し、目の前の座席が空きました。ただ、あなたは2分で着く次の駅で降ります。今さら座るのも…という気持ちもあります。あなたなら以下のうちどの行動を取りますか?①その場に立ち続ける②乗降口近くに移動する③と…
ザッカン項目で自分の感性に触れた物事を書いていて改めて感じるのは、自分が対象にした物事と読者の皆さんが記事を読んで想像する物事とを10人中10人の割合で一致させることは難しいということだ。だからといって僕の言っていることを分かってもらいたい気…
忙しいというより、賑やかということかな。夏までの半年が嘘であるかのように、今は周りに取り巻きが多くなる。自分の得意とすることが多くに受け入れられ、その期間は数ヶ月続く。考えてみれば夏の終わりまでの半年があったからこそ十分な準備と育みができ…
朝早い雨の休日。乗った電車の真向かいの席に女性がひとり座った。彼女は座るや否やある物を取り出した。スマートフォン?いや、違った。片手にまるまる収まっていてよく見えない。彼女は握りしめたその手から力を抜いたかと思うと、ばらし始めた。小さくて…
毎日の生活でよく耳にする音でも、環境が変わるだけで雑音に感じてしまうことはないだろうか?私にとってその代表選手はビニール袋である。普段の買い物においてビニール袋はあれば助かることが多い。買った物を取り出すまでの間、歩いていたりする時など袋…
自分だけであろうか?買う気がなくてもそのブランドに特別な何かを感じてしまうのは。自分だけであろうか?お気に入りのブランドを身につけていると特別な何かが漲ってくるのは。自分だけであろうか?手の届かないブランドの紙袋が道路脇に置かれていてそこ…
品種改良で甘い蜜柑が多くなり、食べて酸っぱさを感じる蜜柑が最近少なくなった。よく行く八百屋のご主人と先日こんな話になった。発端は、数ある蜜柑のうちで酸っぱいものはどれか?を聞いたことだった。私は甘いものより、酸っぱいものが好きである。なら…
ずっと君のことを眺めていたのだけど、そろそろ僕を利用してみてはどうかな?長い間同じ位置、同じ姿勢でいては身体も心も悲鳴を上げてしまうよ。席を離れてぶらついたり。人と話したり。音楽を聞いたり。おやつを食べたり。軽く走ったり。少しの期間、旅す…
リフォームして間もないビルの流し場。洗剤やスポンジ、布巾等の用意もこれからといったところで、流し場に主だったものは置かれていない。冷水用と温水用二つの蛇口が一定の間隔のもとに設置されているのが際立つ。よく見ると、何やら白く丸い物が両方の蛇…
目に見える地道な努力はしていないけど見直してくれる人が最近増えてきている。使ってもらう時と使い終える時と。当の自分から見ても確かに面倒に感じる瞬間だ。それでも使ってくれるのはナゼなんだろう?自分の専門は、活かせるタイミングがごく限られてい…
どんな季節であっても窓はいつでも開閉できるようにしておいた方がいい。開けっ放しでも閉めっ放しでもなく、その程度は適度というのがふさわしいかもしれない。例えば、太陽の動きに合わせて窓の開閉具合を調節する。日が真上に昇る頃は窓を全開にしてエネ…
最近耳にした携帯電話の着信音で思わずビクッとしたものがあった。その音は二年前に頻繁に鳴っていた警告音に近く、いつ聞いても決して愉快ではない。だが考えてみれば、TVやゲーム等で危険な状況時に使われる音は一種の刷り込みとして我々の脳内に危険な状…