2013-11-01 表情が消えた日 ザッカン 昨日までの世界は一体何だったのだろう?違和感を覚えつつも、その空気に慣れてしまうと心地良さも感じていた。街中を埋め尽くす黒や灰色といった落ち着きのある日常に、橙を中心とした色鮮やかさが差し込んでいたほんの少しの間。大半の人々は何事もなかったかのように振る舞いながらも、心の奥底では喪失感があるかもしれない。奇抜なメイクや不思議な世界へ誘うコスチューム。不気味な薄笑い顔。それらはみな無くなった。そして橙より色味の強い赤色の目立つ二ヶ月がやってきた。