旅立つ前に、その準備を〜映画『オン・ザ・ロード』
伝説的な作家
ジャック・ケルアックが遺した
青春放浪小説の代表作が映画化された。
基の小説は
音楽や映画の分野等
多くの芸術家に愛されるだけでなく、
世界中に多くの読者を
今なお増やし続けている。
熱狂的なファンを持つ原作が
映像化される時、多くの場合、
否定的な意見が出るのは世の常である。
原作を愛するゆえ、
読者それぞれが頭で思い描く
強いイメージがあるのはよく分かる。
仮に、私が同じ立場になれば
映像化の報せに
後ずさりするかもしれない。
ここには、割り切りが必要だ。
原作は原作。映画は映画。
別作品として楽しむと言ったら
誤解の生まれる余地が多くなるが、
原作に魅せられた製作者が
原作に最大の敬意を払って作った
作品として捉えるのがいいのではと考える。
映画『オン・ザ・ロード』の話に戻ろう。
本作には
これから活躍の場が多くなるであろう
俳優達のほとばしる熱情が詰まっている。
核となる三人の登場人物を演じる
彼らのコラボレーションは
とにかく必見。
私は、ライリーの声にしびれ、
ヘドランドの狂気に羨み、
クリステンのヴァンパイアではない意外な一面を観て感動した。
貴方は一体、何を感じるだろう?
一つだけ確実なことがある。
本作を観て
旅立ちたくなかったら
最善の処方箋を探すのは
難しいかもしれない。
全ての旅行者へ。
旅立つ感情を持ちたい人へ。
本作をお勧めします。