zakkannist's diary

日々その時の雑感を書き綴ります。

空へ

生まれて間もなく
僕たちは
生みの親との
別れが待っている。

そして
育ての親とも言うべき
人々にお世話になるのだが、
悲しいかな
彼らを僕たちは
選ぶことができない。

とても大切に
してくれる人もいれば、
乱暴この上ない
扱いの人もいる。


そもそも
僕たちの命は
人々に比べて
はるかに短い。

その代わり
生まれ変わりも
とても早い。

元からある本能なのか
僕たちは
隙あらばいつでも
逃げる気で
頭の中はいっぱいだ。

最低五秒あれば
逃げ切れる自信もある。


限られた時間の中で
沢山の光景を見てみたい。

人々が夢見る
同じことを
僕たちも感じている。


まさに今、
僕の仲間が
親元をするりと
逃げ果せた。

風に身を任せ
これまでにない速さで舞い上がり、
彼女は一体どこに行くのだろう?


赤色の彼女が
真っ青な空にとても映えて見える。


その小さな姿は、
すぐに見えなくなった。