zakkannist's diary

日々その時の雑感を書き綴ります。

笑みの赤外線通信

乗り合わせた電車は
台風の影響もあってか、
人もまばらで
休日の夜にしては
閑散としていた。

ただ、
そこでの光景は
とても興味深いものだった。

乗った車両には
私も含めて
乗客は10人ほど。

電車が駅を出発した。

ひとりの乗客が
スマートフォンを取り出して
おもむろに検索し始めた。

それまで
思い思いの行動を取っていた乗客は
まるで合わせるかのように
自分達もスマートフォンを取り出し、
画面に集中し始めた。

すると、どうだろう?

皆が皆
画面を見て
うっすらと笑みを浮かべている。

笑みなのか、
にやけているのか
判定はできなかったが、
確かに目元には
穏やかさがあった。


注視する光景を
目にするのは
今や珍しくはなく、
日常茶飯事かもしれない。

しかしながら、
その大半の使用者が
時を同じくして
同じ表情を見せるというのも
何だか奇妙でもある。

笑顔に接した人に伝播するように、
笑みは拡がっていくのだろうか?

たとえ、それが
同じ情報を共有していなくとも。