zakkannist's diary

日々その時の雑感を書き綴ります。

これで準備はOK!


ヒップに釘つけにさせる
タイトなパンツに、
白シャツはボタンを三つ外して
小麦色に焼けた胸元を見せる。

よぅし、準備万端だ!

気分は自ずと盛り上がり、
それまで地に付いていたシューズが
本来の役割を果たすかのように
その鋭利な先端で爪先立ちを
サポートする。

同時に、
ヒップも上に釣り上げられ、
形の良さをさらに見せつける。

最高の気分だぜぃ!

思わず、
懐かしいメロディーが
口から漏れてくる。

おっと、この曲は予定外だな。

今晩のリハーサルも兼ねて
通しでイメトレしておくか。

アップテンポの曲に始まって
ラストの定番バラッドまで合計7曲。

それぞれ思い入れのある歌だけに
細部の表現には力が入る。

自分にとって
最大のヒット曲である
ラストナンバーを
しっとり歌い上げる。

完璧な仕上がりに、
笑みがこぼれた。


そろそろ時間だな。

扉の前まで急ぐ。


扉が両方向から開いた。


足を扉の向こう側へとやった時、
彼ははっと気づいた。



電車に乗っていたの、忘れてた。。。



目的地までの間
偶然乗り合わせた聴衆が
抱いた気持ちは
想像し難いものではないだろう。