zakkannist's diary

日々その時の雑感を書き綴ります。

我輩の喜々たる悩み

日が落ちて
辺りも静まり返る頃。

一番好きな時間帯かといえば
必ずしもそうではないが、
自分にとって
最も落ち着く時間であることは
間違いない。

目を遮る
動く大きな物が
ほとんどいないからだ。

日のある頃、
自分の向かう先々で
無数の動く大きな物と出会うが、
今はその雰囲気を
感じることがない。

まれに、
動く大きな物に
出くわすことがあっても、
目の合った途端
向こうがとっさに避けることが多く、
態度の違いに首を傾げてしまう。

今頃、気分は上々。

だから
つい羽目を外してしまう。

この前なんかは
気づいた時、
自分は道路中央で
足を大きく開けて寝ていたっけ。

いけない、いけない。
油断したら最後だと、
親によく言われたものだ。

気持を引き締めて
いつもより慎重に、
お気に入りの場所へ
足を進める。

ところが
その道すがら
体が急に下へ落ちていった。

辺りは
落ちる前の上の世界より
遥かに暗く、
また匂いも上では
あまり嗅いだことがない。

いけない、いけない。
油断してしまったな。
自分もこれまでか。

落胆したのも束の間であった。

下の世界には
自分の好物が
これまでに見たことがないほど
いるではないか。

無心で追いかけ回した。

釣果も満足の程この上なく、
当面の足しになりそうだ。


上の世界は住み心地がよい。
下の世界は食生活がよい。


上の世界と下の世界、
どちらに住むのがいいのか?


悩んでいるうちに、
辺りが薄暗くなった。

空が白み始めていた。